●第13回・T-MED政経文化塾論説

 
~ほぼ無くなった通常国会冒頭解散、五輪後が本命に安倍4選、予測の見解分かれる。~
 
●「解散したら自民は30~20議席減」
政府は通常国会を来年1月20日に召集することを決めた。これによって永田町では「解散は遠のいた」との見解が広がっている。
15ヵ月にまたがる大型補正予算を計上したこともあって「国会を1月2日にも召集、補正予算を成立させて解散か」との見方が広がっていた。
自民党の幹部も「年明け解散はほぼなくなった」と次の話をした。
「選挙の雰囲気が全くない。あれば必ず官邸から選挙情勢の世論調査の支持が来るが、まだない。もし年明けに解散するなら事実上、間に合わない。公認の決定、空白区の穴埋め、自民同士の競合区の調整など作業がある。正月を返上しなければならない」
では、いつ総選挙か。
「来年は安倍総裁の任期と衆院議員の任期が共に切れる。追い込まれ解散になる。今年中にはある。五輪は8月、パラリンピックは9月に終わるがそのあと。五輪の熱気が冷めないうちに解散・総選挙になるだろう」
なぜ冒頭解散がなくなったか自民党幹部が説明した。
「解散すれば必ず議席が減る。いま285だが、前回に勝ちすぎた。次は20~30議席が減る。265ないし255議席になる。過半数は確保できるが、いま自公で314議席。3分の2をキープしている。それが崩れる。首相の改憲の勢いがそがれブレーキがかかる。政権の求心力が落ちる」
前回総選挙を踏まえてマスコミがシミュレーションをした。「野党統一候補と自公候補が戦うとどうなるか」その結果は自民の「マイナス64議席」だった。
自民党幹部が言った。
「64までは減らないが、その半分ぐらい減ることは覚悟しなければならない」
 
●立憲が選挙を恐れる4つの理由
12月9日に閉幕した臨時国会の幕切れで野党は内閣不信任案を出さなかった、というより出せなかった。
ふつう国会がひと区りの際には不信任案が出される。野党は少数だから野党である。多数なら与党となる。不信任案が否決されるのは当然である。
しかし、解散・総選挙がなければ野党は多数になれない。解散に追い込むという気迫が大切なのに今回はそれが見られなかった。それより政府・自民党が解散に意欲的で野党がこれを怖れる風景が見られた。
今年の5月、衆参同日選が取り沙汰され、菅義偉官房長官が言明した。「内閣不信任案が提出されたら、解散の大義になる」 
12月5日の記者会見で記者団が念を押した。「あの時の考えに変わりはありませんか」。菅長官が答えた。「全く変わりません」。これに野党が疑心暗鬼に陥った、と伝えられる。
野党の中もまとまっていなかった。国民民主は「ここで不信任案を出さなければ、いつ出すのか」と主張した。立憲民主や共産党は反対した。
「不信任案を出せば否決される。桜を見る会も一件落着とされる。そこであえて出さず、来年の通常国会でも追及する」
これは、へ理屈というべきものであった。立憲民主党はなぜ選挙を恐れるのか。関係者が次の分析をした。
「理由は4つある。第1は『前回、2年前の勢いが全くない』。小池百合子都知事の排除の論理にいじめられて、枝野幸男(代表)が1人で立ち上がったストーリー。この判官びいきが消えた。野党第1党になったが、まじめな議論をしない。本気で安倍政権に抵抗もしない。あげ足取りに終始している。シュレッダーの前に喜んで写真を撮っている」
ほかには。
「第2は金がない。国民民主は民進党の遺産を握って約80憶円ある、と言われる。対して立憲は年末のモチ代が払えない。従って候補者も立てられない。第3は現職議員の多くが、風で当選して比例復活。惜敗率も低い」
第4は。
「れいわ新選組の山本太郎氏が怖い。前回、枝野氏を支えた層が山本氏に移っている。左翼で共産・社民・総評系の枠に入らないリベラル層。山本氏は消費税を5%に引き下げる主張。これに同意するなら一緒に戦う・と。しかし5%というのは民主党・野田佳彦政権の以前に戻すことを意味する。民主政権の否定だ。これを野田、安住淳、岡田克也氏ら旧民主幹部はのめない」
「立憲と妥協する気配がない。政党名、人事、政策など全部譲らない。合流がなくとも、国民から集団離脱してくる、と見ている。一方の国民は『合流の協議はいいが実際の合流には反対』というのが本音だ」
 
「永田町社稷会」主宰 鈴木棟一氏より